宝くじと生命保険

「いや、でも税務顧問業務は載りにくいですね。」
こうバッサリ言われてしまうと身も蓋もありません。
しかもその発言をしている人が
(業界では)かなり有名な方ならなおさらです。

「そうなんですか?」
「そうなんですよ。というのも、税務顧問業務って
訴求力が無いんですよね。」
「訴求力、ですか・・・?」

訴求力が無い、初めて言われてちょっとびっくりしました。
確かにあまり華やかな仕事だとは
言えないかもしれませんが・・・

「立野さん、宝くじ買ったことあります?」
「はい、あります。」
「じゃあ生命保険は?」
「実はすごく少額のものしか入ってないんですよね」
「それなんですよね、それが、訴求力ってことなんです。」

「宝くじと生命保険ですか?」
「そう、宝くじと生命保険です。
立野さんが宝くじを買った理由ってなんですか?」
「いや、当たれば大金が手に入って嬉しいかなー、と・・・」
「じゃあ保険は?」
「保険は正直、あんまり好きじゃなくて・・・
節税の手段として、ですかねぇ。」
「じゃあ立野さんにとっては、宝くじ>保険、という
不等号が成立するんですね?」
「深く考えたこと無かったですが、
言われてみればそうですね。」

「いいですか、商品って、究極的には2種類しかないんです。
それは、欲望を刺激するものと、恐怖心を刺激するものです。
もっと言うと、得をしますよ!という能動的な商品と、
損をカバーできますよ!という受動的な商品なんです。」

そうなのかなぁ、と思いました。
ほかにも色んな商品がありそうな気もします。
うーん、でも、ぱっと思いつく範囲でも
車は便利、カッコイイ、など欲望を刺激する商品ですし、
美味しい食事もそうですよね。
欲望を刺激しないと確かに商品になりませんね。

「宝くじはわかりやすいですよね、
もろに欲望を刺激する商品です。
他にも、投資セミナーや身長が伸びる本など、
人間のこうしたい、ああなりたいを
刺激する商品、これはね、訴求力が高いんですよ。」
「一方の、恐怖心を刺激する商品、
立野さんの税務顧問もそうでしょう?
もし税務署が来たらという恐怖心を刺激するわけですが、
これってどうしてもね、
欲望を刺激する商品よりも弱いんですよ。圧倒的に弱いです。」

なるほど、これはそうかもしれません。
損をカバーできますよ、という商品って
パッと思いつきません。
それこそ保険ぐらいかもしれませんね。。

「ということで立野さん、これをやれば得しますよ、という、
本能にダイレクトに訴える売り方をしたら
いいんじゃないでしょうか。
そうじゃなければ正直、マスマーケティングには
載りにくいです。
損をカバーできますよという売り方は、
そこまで考えている賢い消費者には
響くと思いますが、一般受けはしないと思いますね。」

この話、とても基本的なことかもしれませんが、
本当に深いなぁと思います。
そんな会話からもう2年も経ちますが、
新しいビジネスを考えたりするときなどに
たまに思い出したりしています。

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