国外財産がある場合

平成24年度の税制改正で創設された「国外財産調書制度」が
とうとうこの年末の保有国外財産を対象として始まります。
この制度は、海外資産の申告漏れをなくし、適正な課税・徴収を行うために
保有する国外財産を国に申告するための仕組みです。

申告漏れがあった場合は過少申告加算税を取られ、
故意に提出しなかったり虚偽の申告をすると
1年以下の懲役または50万円以下の罰金という
重い罰が用意されています。怖いですね・・・

この国外財産調書の提出が必要になるのは、
時価または見積額で5,000万円以上の国外財産を所有する方です。
(※ただし、日本国籍を持っておらず、
過去10年以内に日本国内に住んでいる期間の合計が
5年以下である場合は該当しません)

ではこの国外財産とはなんでしょうか。
真っ先に浮かぶのは、海外に預金口座を持っている
といった例が多いのではないかと思います。
ある財産が国外財産であるかどうかの基準となるのは、
その財産がどこにあるか、によることが多いです。
外国の銀行に預けた預金は受け入れをした銀行の
事業所の所在が基準になるので、国外財産になります。
海外に不動産を持っている場合も、国外財産となります。

ただし、たとえその財産の所在地が日本であっても
国外財産とされる場合があります。
・外国企業が発行している株式や社債
・外国の政府が発行している国債や地方債
・外国籍の投資信託(外貨建てMMFも含む)
などがそうです。
これらは日本で購入しても国外財産になります。
逆に、たとえ外国で発行されていても
発行元が日本企業であれば国外財産にはなりません。

この国外財産調書制度の注意してほしいポイントとして、
いったん提出したら翌年以降は提出しなくていいというふうに
思われている方が結構いらっしゃるようですが、これは間違いです。
毎年12月31日時点で、国外財産の額を判断するため、
国外財産の減少や円貨換算で5,000万円よりも少なくなれば
その年度は提出の義務はなくなりますが、
国外財産が5,000万円を超えれば、それが何回目であっても
翌年に国外財産調書を提出することになります。
期日は翌年の3月15日(平成26年は15日が土曜日なので3月17日)までです。

国外財産に当てはまる財産がある場合は
毎年、年末に時価や概算額を把握しておくなど
しっかりと準備をしておく必要があります。
不安な方は、是非お気軽にご相談ください!

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