過年度のサービス残業代を支払ったとき

「過去のサービス残業代を取り戻そう!」
みたいな広告やCM、たまにありますよね。
残業代を支払うことは会社の義務なので、
こういわれてしまったら支払うしかありません。
このようなケースで過年度分の残業代を一括で支払った場合、
会社にとって、税務上ではいつ経費になり、どのような扱いになるのでしょうか。
扱い方としては、大きく分けると二通り考えられます。

1.未払いの残業代を過年度分の給与として支払う

この場合、本来は今年ではなく過去に支払わなければならない給与であったわけですから、
それぞれ本来支払うべきだった年の給与所得となります。
そうなると、残業代を支給した従業員全員の年末調整がやり直しになります。
更に給与が増えたことから所得税の納付も不足分が出てくるので、
残業代を支払った月の翌月10日までに追加で納付しなければならなくなります。
更に更に、給与支払報告書も訂正して再提出になる上、
もし支給した残業代が4~6月分であった場合、
社会保険料の算定基礎届の訂正も必要になってきます。
なんだかめちゃくちゃめんどくさいことになりますね。

2.未払いの残業代を一時金等として支払う

一時金として支払った場合、過去分の給与ではなく
現時点での賞与としての扱いになります。
よって、今年度分の給与に含まれることになりますので、
過去分の給与として支払った場合のように年末調整をやり直す必要はありませんし、
もろもろの訂正の届出もいらなくなります。
手間を考え、実務上はこちらを選ぶことが多いようです。
ただし、従業員の立場からすると、
その年分の所得税や社会保険料等ががっつり上がってしまうため、
後々トラブルにならないように支給の際に説明しておいた方が無難かもしれません。

過年度のサービス残業代

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