会社の業績悪化による役員報酬の減額改定

役員報酬の改定についてのお問い合わせは
やっぱり一定の割合でいただきますね。
なんといっても基本的に一年間一定額でないといけない
という決まりがあるので、悩ましいところなんでしょう。

役員の給与を改定するタイミングとしては
1. 定時改定
2. 臨時改定
3. 業績悪化改定
の3つが考えられ、1の定時改定が基本になります。
決算後、新しい会計年度が始まって3ヶ月以内におこなう改定の方法です。年に一回だけです。
2の臨時改定は、その役員の職務上の地位が大きく変わったときなどですね。

3の業績悪化改定については、
経営の状況が著しく悪化した時の改定です。
会社が潰れそうって時に役員ばっかりお金もらってるわけにはいきませんからね。

ただ、ある会社が「業績悪化改定事由」にあたるとして
社長の役員報酬を減額したところ、
税務署に認められなかったという事案がありました。

同じ代表者の経営するX社とY社。
X社はY社から仕事をもらって、
Y社に手数料を支払うということになっていたんですが、
その支払いが滞っていました。
(多分、利益とかを調節していたんでしょうね)
で、手数料の支払いが滞っているにもかかわらず
X社では社長が50万円も役員報酬をもらってたので、
Y社から「社長の給料を減額しろ!さもなくば
うちに支払ってない手数料一括で支払え!」
と言われ、「業績悪化改定事由」にあたるとして
社長の報酬を引き下げた、という内容でした。

これが認められなかったのは何故か。
まず、X社の収支状況、つまり数字的な状況に鑑みて、
収益が大幅に減ったり大きな損失が出たりしていない上に、
売上だって年間おおむね3億2,000万円。
改定する時点で業績悪化してなくても
業績悪化改定してもいいよ、という場合もあるにはありますが、
この例で言えば、たとえば借金している先が銀行とか
全くの第三者だったらまた変わってくるかなと思います。
代表者が同じ会社同士だったら、信用問題とか関係ないですし。
数字的な部分ももちろんですけど、
客観的に見て、役員報酬の減額がなければならないというふうに
見れるかどうか、というところも大事なんでしょうね。

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