源泉徴収の実務

前回、プロ野球選手は個人事業主ですよ、
プロ野球選手がもらっているお金は
「報酬」という扱いなんですよ、という
お話をしました。

報酬という形態でお金をもらっている人は
決して少なくありません。
例えば保険の外交員さんや、士業のような
専門家、セミナー等の講師など、
探してみると意外といらっしゃるものです。

ただ、その報酬からの源泉徴収になると
取り扱いが割とバラバラなように
見受けられます。

源泉徴収するべき報酬というのは
法律でめちゃくちゃ細かく
定められていまして、
決められた報酬以外からは
源泉徴収しなくて問題ありません。
しかし、細かく定められているからこそ
さらなる疑問が生じることがあります。

一番困るのが「コンサル」でして、
具体的にどういうコンサルをしているのか
によって源泉徴収の要否が異なってきます。
実際の業務がフリープログラマーに
近ければ源泉徴収は不要ですが、
デザイナーに近ければ源泉徴収が必要です。

また、直接企業から求められ
その企業の調査や改善指導をすれば
「企業診断員」として源泉徴収が必要、
となっているのですが、
直接には求められず誰かの下請けとして
コンサルをしている場合はどうなのか、とか、
直接企業から求められ別の企業の調査を
したらどうなるのか、など、
とにかく疑問がつきません。
なお、個人的にはどちらも源泉徴収は
不要だと思います。

そんなこんなで判断が面倒だから、
怪しい場合は全部源泉徴収をしておこう、
とする会社が結構あるのです。

会社にとっては、源泉徴収をした方が、
その時点でのキャッシュアウトを
減らすことができますので
その瞬間は有利なんですよね。
いずれ源泉徴収した額を国に納付するので
トータルで見ると同じなのですが、
一時的に資金として手元に残せるわけです。
それなら、面倒だったら源泉徴収を
しておけばいいか、となるのです。

さらに、源泉徴収するべきものから
源泉徴収をしていなかった場合、
それが税務署に見つかると
ペナルティが発生します。
ペナルティは源泉すべき額の10%です。
源泉徴収するべきか悩んだ挙句
源泉徴収をしなかった結果、
税務署から「源泉徴収漏れ」といわれ
10%余計に持って行かれるのは
ちょっと切なすぎますよね。
だから、面倒だったら源泉徴収を
しておけばいいか、となるんですよね。

ところが、貰う側は事情が異なります。
源泉徴収するべきでないのに
源泉徴収されたお金しかもらえなければ、
これは困ります。
最近はみなさん良く勉強されていて、
会社に「足りない分を払ってくれ」と
言ってくる人もいます。
そうなると会社は非常に面倒です。
とくに源泉税を既に納付している場合、
「納付したから払えない」
「関係ない、払え」
の押し問答になる可能性さえあります。

源泉徴収って、実は一番難しい
税務実務かもしれませんね。

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