【確定申告特集】確定申告をする義務のある人って?-年金、退職金【4】

前回に引き続き、今回も
確定申告をしなければならない人はどんな方なのか
についてお話ししようと思います。

前回はⅰ)~ⅲ)までのケースをご紹介しましたので、
今回は続きのⅳ)から以下の項目について見ていきましょう。

 ⅳ)年金などを受け取っている方
 ⅴ)退職して退職金をもらった方
 ⅵ)その他

今回はお仕事を終えた方についてのお話が中心になりますね。
ⅵ)では特例についても触れますので、
興味がある方は是非ご覧ください。


ⅳ)年金などを受け取っている方

国や会社から支給される年金も所得になりますから、
所得税がかかります。

ここでいう「公的年金など」というのは、
国がおこなっている国民年金や厚生年金、
公務員などの共済組合法などの規定による年金、
過去に勤めていた会社から払われる年金
などのことです。

こういった公的年金などでもサラリーマンのお給料と同じで
税金を払うため源泉徴収(天引き)をされていますが、
これらによる所得の金額から所得控除を引いたときに
残額がある場合は確定申告をする必要があります。

ただし、年金所得のある方については、法律が変わって
一部の方は確定申告が不要になる制度ができました。

年金による収入の合計額が400万円以下の方で、
それ以外の所得が20万円以下(収入では85万円以下)であれば、
たとえ計算上納付額があったとしてもこの「申告不要制度」によって、
確定申告書を提出しなくてもいいことになったのです。

年金での収入が合計400万円以上の方や、
それ以外の所得が20万円以上の方、
あるいは確定申告でしか使えない制度を利用する場合には
確定申告が必要になります。

年金による収入金額の合計から控除額を差し引いた金額が
所得税の対象となりますが、その計算をする際、
収入金額によって65歳未満の方と65歳以上の方で
控除額が異なりますので注意が必要です。

ちなみに、ご本人ではなく遺族の方などが
毎年受け取る年金や恩給に関しては、
所得税も相続税も課税されませんのでご安心を。


ⅴ)退職して退職金をもらった方

会社などを退職すると
その後の生活などのために退職金が出ますよね。
これにも所得税がかかります。
しかし退職金による所得に関しては、一般的には
会社が退職金を支払う際におこなう源泉徴収(天引き)で済むので、
確定申告の必要はありません。

が、実は外国企業などから退職金をもらうときなど、
源泉徴収がおこなわれていない場合があります。
こういった場合には退職金による所得であっても
確定申告をおこなわなければなりません。

また、そうでない場合でも
退職金には多額の控除が認められているので、
源泉徴収をされていても確定申告をすると
税金が戻ってくることもあります。

退職金は給与とは別にして計算(分離課税)されていますので、
分離課税用の申告書を使いましょう。


ⅵ)その他

ⅰ)~ⅴ)に当てはまらない方でも、
一定の特例を受ける場合などは確定申告をしなければなりません。

例えば、住宅を売却することによる利益には
所得税が課税されることは前回のⅲ)でお話ししましたが、
マイホームを買い替える時については、一定の条件を満たせば
買替の特例によってかなりの額の控除を受けることができます。

また、株の取引においてトータルで赤字になったときには、
継続して確定申告をすることで
3年間繰越控除を受けられる特例があります。

こういった特例はいずれも
確定申告をしなければ受けられないのです。


どうでしょうか。
みなさんは自分が確定申告をする義務があるのかどうか、
わかりましたか?

確定申告をしないと受けられない特例には今回少し触れましたが、
次は確定申告でしか使えない制度について
さらに見ていこうと思います。

確定申告をする義務のある方に当てはまらなかった方でも、
次回ご紹介する内容に当てはまれば
確定申告をすることで得をするかもしれません。
是非お付き合いください。




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【確定申告特集】確定申告をする義務のある人って?-サラリーマンと副業、自営業者【3】

前回、
全ての人が確定申告をしなければならないわけではない
というお話をしました。

では、確定申告をしなければならないのはどういう方なのでしょうか?

確定申告をしなければならない可能性があるのは
おおまかにいうとこんな方です。

  ⅰ)サラリーマンの方
  ⅱ)自営業者の方
  ⅲ)給料以外に所得を得た方
  ⅳ)年金などを受け取っている方
  ⅴ)退職して退職金をもらった方
  ⅵ)その他

みなさんはどれかに当てはまりましたか?

それでは、それぞれの項目を
もう少し詳しく見ていきましょう。
この回はⅰ)~ⅲ)までをご紹介します。


ⅰ)サラリーマンの方

このように表現しましたが、実際サラリーマンの方全てが
全員確定申告をする義務があるわけではありません。

例えば、これより前の回でお話ししたように、
サラリーマンの方の中で
会社がお給料から源泉徴収(天引き)や年末調整をすることによって
所得税の額の決定がされている方は、
必ずしも確定申告をする必要はないのです。

ただし、次のような方は、
サラリーマンでも確定申告をしなければなりません。

 ・一年間の給与収入が2,000万円を超える方

 ・副収入による所得の金額の合計が20万円を超える方

 ・お給料を複数の会社からもらっている方

 ・同族会社の役員やその親族などで、
  その同族会社から給料以外のお金
  (例えば、利子や賃貸料など)
  の支払いを受けた方

 ・災害減免法の適用を受けている方

また、これ以外の方でも、
多額の医療費を払った方や
マイホームをご購入された方、
年の途中で退職しその後まだ再就職されていない方など、
確定申告をする方が、税金が戻ってきてお得な場合があります。

確定申告でしか使えない制度についてお話しするときに
合わせて詳しくご紹介する予定ですので、
興味のある方は是非そちらもご覧ください。


ⅱ)自営業者の方

自営業者の方は、
全ての人が確定申告を行う義務があります。

サラリーマンであれば会社が所得税の計算を行ってくれるのですが、
自営業者の方の場合は自分で税額の計算をしなければならないからです。

これだけ聞くと、会社が毎月おこなう源泉徴収と違って
確定申告は年に一回しかないので、
一度に一年分の税金を納めなければならなくなり、
大変なのではないかと思われる方もいるかもしれません。
しかし、その年におこなった確定申告での納税額が15万円以上であった場合は、
その額を所得税として三回に分割して納めることのできる制度があります。

また、税務署に承認を受けて青色申告を利用すれば、
様々な特典を受けることができます。


ⅲ)給料以外に所得を得た方

たとえば副業をしている方などで、
会社などからもらうお給料以外に所得を受けた場合、
その合計額が20万円以上となった場合は
確定申告の必要があります。

不動産による賃貸料や、
住宅を売却した際の利益、
地代、原稿料による所得も
この項目に含まれます。

ゴルフをする方は知っておられるかと思いますが、
ゴルフ場を利用するのにも利用税がかかったりしますよね。
ゴルフ会員権を売って出た利益についても、確定申告の対象です。

また、生命保険などで無事に満期を迎えると
満期保険金が受け取れることがありますね。
実はこれも課税の対象となりますので、確定申告が必要なのです。


今回はここまでです。
次の回では年金を受け取っている方や退職した方について、
どういう場合に確定申告をしなければならないのかを
主に見ていこうと思います。



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【確定申告特集】確定申告ってなに?【2】

確定申告」という言葉は
テレビや広告などでも取り上げられていますから、
誰でも一度は聞いたことがあると思います。

じゃあ確定申告ってどういうことをいうのでしょうか。

大まかにいうと、確定申告とは
自己申告に基づき税金の額を計算する手続き
のことです。

自己申告に基づく計算手続きのことを確定申告といいますので、
個人の所得税の計算も、法人の法人税の計算も、
すべて確定申告ということになります。

なりますが、一般的には、確定申告というと
「個人の所得税の手続き」
を指すことが多いように思います。

ですので、ここでも確定申告を
「個人の所得税の手続き」
という意味で使いたいと思います。


確定申告とは、
1月1日から12月31日までの自分の収入・支出を整理し、
年間の利益を計算し、
その利益に様々な調整を加えて「所得」を計算し、
その「所得」に基づいて所得税の額を計算する手続きをいいます。

自営業者の収入や支出、
サラリーマンの方がもらったお給料や退職金、
土地や建物の売却、クイズの賞金など、
年間の様々な収入を整理し、
その金額に調整を加えて「所得」を計算します。

所得や所得税額の計算過程を記載するのが
「確定申告書」と呼ばれる書類です。
確定申告のゴールは、この確定申告書を作成して
必要な書類と共に税務署に提出することです。

もちろん、確定申告書を税務署に提出するとともに、
そこで計算した所得税の額を支払う必要があります。

ちなみに所得税の納付は金融機関などでも受け付けてくれますので、
確定申告書を郵送で提出し、所得税は銀行で支払う、
といった方法を採用することも可能です。
そういえば、最近は確定申告書を
インターネット経由で提出することもできますね。

なんとなくご理解いただけたでしょうか?


ところで、
自営業には確定申告の義務がありますが、
サラリーマンにはその義務はありません。

ではどういった場合に
確定申告を提出する義務があるのでしょうか?

次回はそのことについてお話しします。



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平成24年度確定申告特集はじめました!

街はクリスマスムードですが、
これが終わるともう本格的に年の瀬ですね。

さて、前回の年末調整特集に引き続き
みなさんの疑問にお答えすべく、
当ブログでは平成24年度の
確定申告特集をはじめました。

全10回を予定しております。
個人事業の方も、副業をされている方も
サラリーマンで節税したい方も
是非ご覧になってください。
よろしくお願いいたします。

確定申告特集【1】どうして確定申告をするの?
確定申告特集【2】確定申告ってなに?
確定申告特集【3】確定申告をする義務のある人って?-サラリーマンと副業、自営業者
確定申告特集【4】確定申告をする義務のある人って?-年金、退職金
確定申告特集【5】サラリーマンでも確定申告で所得税を軽減できる?
確定申告特集【6】所得控除の種類
確定申告特集【7】確定申告、いつどこで?
確定申告特集【8】確定申告に必要なもの
確定申告特集【9】確定申告書について知ろう!
確定申告特集【10】まとめ―サラリーマンで確定申告をした方がいい場合


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【確定申告特集】どうして確定申告をするの?【1】

所得税
という言葉を聞いて
みなさんは何をイメージしますか?


サラリーマンの方であれば、
お給料やボーナスから天引きされている
所得税でしょうか。

給与明細をよく見てみると、
「所得税」という欄があることに
気がつくと思います。
その「所得税」の欄に記載されている金額が
お給料から引かれています。

実は毎月、お給料から所得税が
天引きされているのです。
この天引きのことを「源泉徴収」といいます。

会社は、その人の給与やボーナスから、あらかじめ
所得税を源泉徴収(天引き)します。
源泉徴収した所得税は、通常、その翌月に
会社が税金として支払います。
つまり、会社が社員ひとりひとりの代わりに
所得税をまとめて払ってくれているということですね。

サラリーマンの場合、このように
勤め先である会社が所得税を管理していますので、
個人の工夫で所得税の額を増減させることが容易ではありません。
実際、年間でどれぐらいの所得税を支払っているのか
把握されている方は多くないかもしれませんし、
税金を支払っている感覚がない方すらいらっしゃるかもしれません。


自営業者の方であれば、所得税に対する認識はシビアでしょう。

死ぬ気で稼いだ年間の利益のうち
5%~40%を所得税として支払わなくてはいけません。
支払うべき税金の額が非常にリアルな数字として
目の前に現れます。

さらに自営業者の場合、個人の工夫で
所得税の額を増減させることが可能になります。
いわゆる「節税」という方法です。
自営業者の方が所得税に対し
鋭い感覚を持つようになるのも
当然のことかもしれません。

自営業者の方が所得税を支払うためには、
年間の利益がどれぐらいで、だから
どれぐらいの所得税を支払う必要があるのか、
自己申告をします。
そしてその自己申告に基づいて所得税を支払います。

この自己申告のことを
確定申告
といいます。

自営業者の方の場合、確定申告をしなければ
年間の利益や税金の額が確定しません。

この点、サラリーマンであれば、
毎月の源泉徴収や年末調整などで、年間の税金の額の確定を
勤め先である会社が代行してくれます。
ですので、サラリーマンの方は必ずしも
確定申告をする必要はありません。

しかし、実はサラリーマンの方であっても
確定申告をした方が得な場合があるのです。

所得税をはじめ税金の計算は非常に複雑なのですが、
その所得税の計算上、
税額を減らしてくれる各種の制度が設けられています。
これらの制度のうち、一部の制度は
確定申告をしないと利用できないのです。

つまり、
確定申告をすれば節税ができる可能性がある、
ということです。

税金が減るなら、確定申告、やった方がいいですよね?


というわけで、次は確定申告とは何なのか、
具体的に見ていきましょう。



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