【消費税特集2】仕入に関するあれこれ

今回は消費税セミナーの第2回です。
前回は売上に関するお話で、納期が施行日(4/1)後に
ずれこんでしまった際、もともと5%の消費税率で
話をすすめていた取引であったとしても、
適用するべき消費税率は8%になってしまう、という点に
注意が必要、というところがミソでした。

今回は仕入に関するお話です。
といっても、仕入と売上とは表裏一体ですから、
前回の売上の話、施行日後の取引は自動的に8%の税率が
適用される、という問題がまったくそのまま
こんどは仕入サイドの問題として生じることになります。
施行日後に納品されてしまうと、原則として8%の税率を
負担する必要がある、というところがポイントです。

ただし、仕入の際に支払った消費税がそれだけ(3%だけ)
多くなるわけですから、その分、最終的に国に納付する
消費税は少なくなることになります。
消費税の納付額は次のように計算します。
(納付額)=(受け取った消費税)-(支払った消費税)

ということで、一時的に余分に支払う必要があったけど、
最終的に納付額が減り、全体を通してみたらプラマイゼロ、
納品が遅れてしまってもまあいいか!
・・・ということで一件落着、となればいいのですが、
残念ですがそうならないケースがあります。
つまり、全体を通してみたらマイナスになってしまった、
そういうケースがあり得るのです。

ケースその1:免税事業者の場合
例えば設立してから2年以内の会社のように、
そもそも消費税の納税義務がない免税事業者の場合。
この場合、消費税の納付をしませんので、
納付額が減ってプラマイゼロ、という理屈が成り立ちません。
消費税を多く支払うとその分だけ損、ということになります。

ケースその2:簡易課税事業者の場合
簡易課税を適用している場合、納付するべき消費税の額は
先ほどの式によらず、売上高を基準に計算します。
(納付額)=(売上高)×(事業ごとの一定の割合)
この式によると、どれだけ消費税を支払っていても、
納付額には一切影響を与えません。ということで、
納付額が減ってプラマイゼロ、という理屈が成り立たず、
消費税を多く支払うとその分だけ損、ということになります。

ケースその3:課税売上割合が低い場合
これはちょっと特殊なケースですが、病院やマッサージなど、
公的な機関からの収入が多いような場合に問題になります。
こういった会社の場合、支払った消費税の全額控除ができず
全売上の中での課税売上(消費税が含まれる売上)の割合を
乗じた支払消費税だけを控除できることになります。
この場合も、ちょっとややこしいですが、
税率が上がったことによる支払増加額よりも、
最終的な納付額から控除する税額の方が少なくなりますので、
消費税を多く支払うとその分だけ損、ということになります。
(例)
100円のものを買った場合(課税売上割合20%)
3/31・・・105円で購入、控除できる税額は1円
⇒実質104円での購入
4/1・・・108円で購入、控除できる税額は1.6円
⇒実質106.4円での購入


ちょっとややこしいですが、結局、
やっぱり早めに仕入をした方が無難、ということになります。
販売の方は、お客様の規模や業種に鑑みて、
トータルで損をさせることがないよう、きっちりと
納期通り納品することが重要、ということになりますね!

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野生動物の眠り方

前から不思議に思っていたんですが、
定期的に息継ぎをしないといけないイルカや
長時間飛行する渡り鳥なんかはいつ寝てるんでしょう。
流石に睡眠を必要としない動物が
いるとは考えにくいですよね。
ちょっと調べてみたところ、
長時間泳ぎ続けたり飛び続けたりする動物たちの中には、
脳を半分ずつ眠らせながら体を動かすという
器用なことができるものもいるらしいです。
私たち人間からすると、眠るというのは
瞼を閉じて体を休ませるといったイメージが強いですが、
実際は脳を休ませるということが重要なようです。
考えてみればそもそも魚は瞼がありませんし、
目を閉じて眠るということ自体不可能ですよね。

サバンナなどで暮らす野生動物も
天敵から身を守るために立ったまま眠れるみたいですよ。
人間のようにゆっくり深く眠るというのは、安全なところで
眠れるからこそできる睡眠方法なのかもしれません。
そういえば天敵らしい天敵のいないライオンなんかも、
狩りの時以外は日がな一日寝て暮らしている
イメージですよね。
睡眠ひとつとっても動物によって
こんなに違うと思うと面白いですね。

ちなみに人間の世界でも、アメリカなどで
眠らずにどれだけ長く起きていられるかという
チャレンジをした人もいるらしいです。
今のところ記録では11日間が最高みたいなんですが、
挑戦した人の中には「脳を疲れた部分から別の部分に
切り替えている」と言っている人もいるようで、
人間も場合によっては渡り鳥たちのように
脳を半分ずつ休められるようになるのかもしれません。
まあ、ベッドでゆっくり眠れるのが一番ですけどね!

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【消費税特集1】施行日前後の売上

ご存知の方も多いと思いますが、
今月の頭に消費税の増税が決定されました。
ということで、今回から3回に分けて
消費税の増税で損をしないための
メルマガセミナーを開催したいと思います。

今回の改正は、2回に分けて
消費税率を引き上げるというものです。
1回目は2014年4月1日で、消費税率5%⇒8%。
2回目は2016年10月1日で、消費税率8%⇒10%。
今年は2013年ですから、次の4月から
消費税率が8%になるということですね。

消費税の改正では、改正のタイミング付近の取引に
注意が必要です。
そこで第1回目の今回は4/1前後の売上について解説します。
次回は4/1前後の仕入について、
そして最終回は経過措置について解説します。


そもそも、消費税は「預かった消費税」から
「支払った消費税」を差し引き、
まだ預かったままの消費税を国に納付するという仕組みです。
ですので、消費税が5%だろうが8%だろうが、
最終的に納付する額が変わるだけで
会社の手残りには影響がないはずです。

(例)
100円のものを売った場合、
3/31・・・105円で販売、5円を国に納付
⇒会社の手残りは100円
4/1・・・108円で販売、8円を国に納付
⇒会社の手残りは100円


ところが、そうとはいえない場合が考えられるんです。
ここが今回のポイントです。

「社長、すいません!3月中に納品するはずが
4月にずれ込んでしまいまして・・・」
「いやいや、いいよ。で、いくらだったっけ?」
「はい、本体価格が20,000円ですので、
消費税を加えて・・・21,600円になります。」
「え?そりゃおかしいよ。
だってもともと21,000円って話だったでしょ?」
「ええ、しかしご存知のとおり消費税法が改正されまして、
21,000円は前の5%で計算した代金です。
4/1以降の取引の税率は8%になりまして、
それを適用しますと・・・」
「うん、そうだよね。でも3月中に持ってくるって
話だったでしょ?間に合ってたら21,000円だったよね。
遅れたのはおたくの責任でしょ。
なんでうちが余分に支払わないといけないの?」
「は、はあ、しかし・・・」
「とにかく、うちは21,000円しか払わないからね!」

これ、十分考えられます。
この点については内閣府のパンフレットにおいても
「納期に遅れた場合等、販売者の責めに帰すべき理由により、
相当と認められる金額の範囲内で対価の額を減じる場合」は
(消費税の価格転嫁の観点から)問題行為とはいえない、
とう趣旨の記載があり、受け入れざるを得ない
可能性があります。

さて、本当に21,000円しか払ってくれなかった場合。
この場合、本体の「値引き」をしたと考えます。つまり、
20,000円⇒(値引き後)19,444円⇒(消費税8%をプラス)21,000円
つまり、8%の消費税で計算して21,000円になるように、
本体から556円の値引きをしたことになってしまうわけです。


なお、いつをもって販売取引の日とするかが
問題になると思いますが、

(1) 棚卸資産(商品・製品)の販売又は固定資産の譲渡
の時期は、原則としてその引渡しの日になります。
今回の場合、その「引渡し」が3月中か4月になるかで
問題となっていたのでした。

(2) 資産の貸付け(レンタルとかリースとか、不動産貸付も含みます)については、契約や慣習などにより支払日が定められている場合はその定められた支払日です。

(3) 請負による役務の提供の時期は、原則として、
物の引渡しを要する請負契約にあっては目的物の全部を
完成して引き渡した日、
物の引渡しを要しない請負契約にあっては
その約した役務の全部の提供を完了した日です。
また、請負を除く人的役務の提供の時期は、
原則としてその人的役務の提供を完了した日です。

とされています。
ただし、これと違うタイミングで売上を計上していても
合理的な理由があり継続的にそのタイミングを
使い続けていれば問題ないと考えられます。

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宝くじと生命保険

「いや、でも税務顧問業務は載りにくいですね。」
こうバッサリ言われてしまうと身も蓋もありません。
しかもその発言をしている人が
(業界では)かなり有名な方ならなおさらです。

「そうなんですか?」
「そうなんですよ。というのも、税務顧問業務って
訴求力が無いんですよね。」
「訴求力、ですか・・・?」

訴求力が無い、初めて言われてちょっとびっくりしました。
確かにあまり華やかな仕事だとは
言えないかもしれませんが・・・

「立野さん、宝くじ買ったことあります?」
「はい、あります。」
「じゃあ生命保険は?」
「実はすごく少額のものしか入ってないんですよね」
「それなんですよね、それが、訴求力ってことなんです。」

「宝くじと生命保険ですか?」
「そう、宝くじと生命保険です。
立野さんが宝くじを買った理由ってなんですか?」
「いや、当たれば大金が手に入って嬉しいかなー、と・・・」
「じゃあ保険は?」
「保険は正直、あんまり好きじゃなくて・・・
節税の手段として、ですかねぇ。」
「じゃあ立野さんにとっては、宝くじ>保険、という
不等号が成立するんですね?」
「深く考えたこと無かったですが、
言われてみればそうですね。」

「いいですか、商品って、究極的には2種類しかないんです。
それは、欲望を刺激するものと、恐怖心を刺激するものです。
もっと言うと、得をしますよ!という能動的な商品と、
損をカバーできますよ!という受動的な商品なんです。」

そうなのかなぁ、と思いました。
ほかにも色んな商品がありそうな気もします。
うーん、でも、ぱっと思いつく範囲でも
車は便利、カッコイイ、など欲望を刺激する商品ですし、
美味しい食事もそうですよね。
欲望を刺激しないと確かに商品になりませんね。


「宝くじはわかりやすいですよね、
もろに欲望を刺激する商品です。
他にも、投資セミナーや身長が伸びる本など、
人間のこうしたい、ああなりたいを
刺激する商品、これはね、訴求力が高いんですよ。」
「一方の、恐怖心を刺激する商品、
立野さんの税務顧問もそうでしょう?
もし税務署が来たらという恐怖心を刺激するわけですが、
これってどうしてもね、
欲望を刺激する商品よりも弱いんですよ。圧倒的に弱いです。」

なるほど、これはそうかもしれません。
損をカバーできますよ、という商品って
パッと思いつきません。
それこそ保険ぐらいかもしれませんね。。

「ということで立野さん、これをやれば得しますよ、という、
本能にダイレクトに訴える売り方をしたら
いいんじゃないでしょうか。
そうじゃなければ正直、マスマーケティングには
載りにくいです。
損をカバーできますよという売り方は、
そこまで考えている賢い消費者には
響くと思いますが、一般受けはしないと思いますね。」


この話、とても基本的なことかもしれませんが、
本当に深いなぁと思います。
そんな会話からもう2年も経ちますが、
新しいビジネスを考えたりするときなどに
たまに思い出したりしています。

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自動車取得はいつがお得なのか?

こんにちは!ジャスト会計事務所です。

消費税の増税が決定してから、駆け込み需要についての
ニュースも以前に増してよく耳にするようになりましたね。
住宅の購入時期についてはこのメルマガで
お伝えしたこともありましたが、今回は
自動車は消費税の増税前に購入した方がお得なのか?
というテーマでお話ししようと思います。

消費税の増税は2段階に分けて増税するとしていて、
平成26年4月の8%への増税は第1段階に当たります。
第2段階目は平成27年10月に10%への引き上げが
予定されていて、平成26年の年末に実行するか否かを
政府が判断するということになっているようです。

この第2段階目の増税が行われることになった場合、
増税のタイミングと同じ平成27年10月から
自動車取得税が廃止される方針です。
自動車取得税とはその名の通り自動車を取得する際にかかる
税金なんですが、今回は普通車を例に挙げてお話しします。

もし新車の普通車を購入する場合、
普通車の自動車取得税率は5%ですので、
自動車取得税が廃止され消費税10%のみとなった場合、
計算上は現在の<消費税5%+自動車取得税5%>と
変わらないということになります。

もし10%に増税して自動車取得税が廃止になるとしても、
平成26年4月から平成27年9月までは
<消費税8%+自動車取得税5%>の税金がかかるので
3%分損をするということになります。
また、平成25年度中は駆け込み需要で
自動車の値段自体が値上がりする可能性もあります。


ただし、取得する自動車が新車ではなく中古車の場合は
また話が変わってきます。
自動車取得税が課税されない可能性が出てくるためです。
そもそも取得価格が50万円以下の車を取得する場合には
自動車取得税はかかってきません。
また、自動車は年を追うごとに価値が下がってきます。
自動車取得税を計算する上で
その車にどの程度の価値が残っているかという率を表す
「残価率」というのが定められています。
新車価格にこの残価率をかけて算出した金額が
自動車取得税を計算する基になる金額になるんですが、
この金額が50万円以下だった時も
自動車取得税はかかりません。
また、新車時から6年以上経過した普通車は
計算上の残価率が0になるので同じく非課税です。

自動車取得税が非課税の場合は、税金の計算上では
消費税が安いうちに取得した方がお得な気がしますね。
駆け込み需要での値上がりの可能性も考えると
一概には言えませんが。

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